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この外壁に塗装改修は危険です

投稿日:2012/8/13

一般の方は外壁が傷んできたから、
「塗装しなければ、塗装会社に塗装を依頼しよう」と簡単にお考えでしょうが、
それはチョット、待ってください。
その傷みの原因は?傷みの程度は?
本当に塗装で大丈夫?不安になりませんか?

また、依頼するにしても、どの会社?
チラシ?訪問してきた会社?・・・・・・
この選択でかなり、困っておられるようです。
傷みの原因などをしっかり理解して、
きちんと直してもらえれば、良いのですが。

上の写真は築20年、今まで、何のメンテナンスもされていない家の外壁の状態です。
外装材が傷んでいるのは誰が見ても明らかです。
しかし、この傷み方がチョット変なんです。
これは経験からですので、一般の方は勿論、建築屋さんでも分りずらいと思います。

私の判断は外装材の表面の経年劣化はありますが、外装材の裏側にある、通気層に問題があるのではないかと考えました。
外装材を剥せば、その答えはすぐでますが、
目視調査の段階ではそこまでできません。

そこで小屋裏から、外壁の裏面を見たのが
下の写真です。
水色に見えているのが、板状の断熱材で商品名でいうとスタイロフォームと呼ばれています。
この断熱材が問題ではなく、
丸く開いている穴の部分は小屋裏の換気をする換気口です。これは小屋裏の換気をする重要な穴です。
しかし、それ以外の外壁の通気口が見あたりません。外部側に無いことは外からの目視調査で分っていますので、おそらく、外壁通気層の上部には通気口がないと思われます。

原因を確定するには解体調査が必要ですが、外壁の張替え改修をするのであれば、
その際に確認して、問題点である換気口の設置をすることができます。

今ではこの外壁の通気工法は一般的に普及していますが、それでも間違った施工もたまに見受けられます。

外壁が傷んでいることは誰でも見れば分りますが、それをどう直すかは難しい判断になりますので、素人判断は危険です。

次回は今週末に更新の予定です。