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そんな施工はないでしょう?

投稿日:2016/1/31

玄関の天井に水シミが多発。

天井材が破壊の状態まで進行。

玄関の上には屋根(庇)があるので、
それを確認しました。

板金屋根ではなく
シート防水で施工されていました。
ここには問題はないようです。

外壁と天井に境には
板金の水切りが施工。

実はこの水切りの納め方が
間違っているんです。
見た目は分かり難いですね。

この板金の水切りを叩くと
チャポチャポという水の音がして

更に叩くと
板金の折れ目から
水が流れ出してきました。

水切りの中に水があるという事です。
何故?ここに水が?

原因は水切りの納め方が間違っている。
ですが、
これは別に特殊な工法ではなく、
一般的に普及している
「外壁通気工法」です。

この工法の利点の一つは
2重防水です。

外装材面が1次防水で
その内側に2次防水となる
防水シートが施工されるようになっています。

1次防水からは雨水が入ることは
設計段階で前提条件にあります。

そこで1次防水から入った雨水を
2次防水である防水シートで
雨水が内部に入らないように
造っているはずです。

2次防水まで雨水が入った場合
その雨水を外部に流すのが
水切りの役割です。

その水切りの取り付け位置が
間違っていたため
水切りに雨水が溜まって
天井面に雨水が流れ出した結果です。

建築の工法としては
通常の工法で
誰もが理解しているはずですが?

実際の施工は間違っていたという事です。


次回は来週末に更新の予定です。