住宅診断の【エスパス一級建築士事務所】

ハウスドクターとしてお住まいのトラブルを解決!


住宅診断の事例紹介


トップページ住宅診断の事例紹介一覧>この時期はやはり蟻被害?

この時期はやはり蟻被害?

投稿日:2010/5/15

北海道にもやっと春らしい天候になってきました。もっとも、昨日は峠では吹雪いていたような情報もありました。
私も明日あたりには、冬タイヤから夏タイヤにしようと思っています。

これからの時期は毎年ですが、「蟻が・・・・」という相談が急増します。
暖かくなると蟻もふ化して急激に数が増えます。蟻が木を食べるというイメージが多いようですが、蟻が直接、木を食べることはありません(シロアリは木をかじりますが、シロアリは蟻ではなく、ゴキブリの仲間です)

ただ、家の中で急激に蟻の数が増えるということは、家の中に蟻の巣があることが考えらえます。蟻の巣は腐った木に宿ることがありますので、蟻の数が急増するということは木が腐っていることを「蟻が知らせている」可能性が高いです。
では木は何故腐るかと言えば、水分が原因です。上の写真は床下の状態で床の梁(大引)が腐っていて、このままでは床が落ちてしまう程の危険な状態です。この調査依頼のきっかけは「蟻が知らせてくれました」
床の梁(大引)が腐った原因は床下の換気不足と地面に防湿シートがなかった事です。

下の写真は昔のタイル張りの浴室をユニットバスに交換するために浴室の床を解体した状況です。黒くなっているのは土ではなく、土台(土台は木でコンクリートは基礎といいます)です。腐った原因は浴室の水です。昔のタイル張りの浴室ではほとんどの場合、特別な防水処理はされていませんから、長年の浴室の水で土台が腐ってしまうことはよくある現象です。
この腐った土台はこの状態であれば、交換することができますが、予算が無いからとか、工事の見積に無いからといって、このままユニットバスを施工してしまえば、後で家が傾くなどの現象が出てくるでしょう。

「蟻がしらせてくれた情報」を活かして、現状調査をして、しっかり状態を知り、原因追求の上、改善処置をされることをお勧めします。
業者の方にお任せするのではなく、家の持ち主の方は積極的に参加された方が良いと思います。
リフォームトラブルは増えていますし、詐欺目的の訪問販売は決してなくなっていません。ご注意ください。