建築の技術は日々、進歩しています。 でも新しいからって、すべて良いとは限りません。どんなものにも、完璧なものなどありません。想定を超えた問題が発生してきます。それをどんどん改良して始めて、良いものになります。 建築の場合は自然が相手ですから、その年数は一般のものに比べて長い時間が掛かります。
最近でもないですが、「基礎断熱」が流行っています。基礎断熱とは基礎の外側に断熱をして床下も室内と同じ空間として活用するものです。この方が外壁からの断熱ラインが連続してできる為、断熱性が良いという事です。 写真はその床下空間に暖房の放熱器を設置して家全体を暖めるというものです。 しかし、この空間に1年に数回、水が流れ出してきて、床下の広範囲が水浸しになり、かなりのカビも発生しているとの事でした。 原因は何か? 施工会社はいろいろとやってみたけど、直らない。それは原因をしっかり調べていないからです。 この床下にはコンクリートが施工されていますが、この床は外部の地面より、50cm程低い処にあります。 外部の地面を掘って、散水試験をすると コンクリートの亀裂から、少しづつ、水が流れ出してきました。この状態が一日続くとかなりの水が床下に流れ込むことになります。 改善するには、このコンクリートの亀裂を外部から埋めることですが、外部には断熱材が施工されており、そう簡単にはできません。 コンクリートは防水材ではありませんし、コンクリートには亀裂は少なからず、あります。 通常の基礎は床下に土が盛ってあり、外部として扱いますので、このような水の浸入があっても大きな問題にはなりません。 その空間を内部として扱うのですから、それなりの施工が必要になりますが 施工会社にとっては想定外の現象になったのでしょう。 どんなものにも、特に現場で施工する建築においては完璧はありませんが、問題は問題が起きた後にどのように対処するかです。 まず第一に原因は何かを追求することが重要です。
|